KOLおつまみ更新21
七海です。
広告出した事件でちょっと反省したので、更新頑張ってみようと思います。無理のない範囲で。
というわけで、とりあえず超久々にKOLの続きです。「なろう」では更新なさ過ぎて忘れられてそうですが……ようやくこれで、第四章第四話が一区切り。
とうちゃーん!
追記からどうぞ。
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KOLおつまみ更新20
七海です。気が付いたら3月になってるどうしよう。
そして、拍手コメントをもらっていたことを後になって気づきました。管理画面はちゃんとチェックしないとだめですね。申し訳ありません。後日お返事を書かせていただきます。
ひとまず今日は、KOLの続きです。
本編はこちら
当時の『神聖王』は老齢で、また病に伏せっていた。ゆえに『堕天使』たちの侵攻に対処することができなかった。ジェラルドが選ばれたのは、アウレリアーノの死期が、すでに近づいていた証だったのだろう。そして、ジェラルドの存在を、『天使』ならではの感覚で知ったアウレリアーノは、彼のもとへ使者をやったのだ。藁にもすがる思いだっただろうと、当時を語るジェラルドは、苦笑した。
「俺は守護天使とかすぐに信じられなかったけど、とりあえずその使者についていったんだ。それで、アウレリアーノに引き合せられて、守護天使のことや、『堕天使』のことを聞いた」
「どう、思った?」
光貴は、慎重に尋ねた。
「大人が子供(ガキ)をからかってるのかと思ったよ」
先代の『神聖王』は、笑い飛ばした。ぽかんとしている息子に、意地悪な笑みを向ける。
「おまえも、晴香も、戸惑っただろう。『神託の君』のこと、はじめて聞いたときは。それと一緒だよ。いきなり言われたって、信じられるわけない。けどなあ、日増しに俺の中の魔力が主張をしてくるんで、だんだん、爺さんのいうことを受け入れるようになっていったんだよ。だから俺は、結局、『神聖王』の座を継ぐことを選んだ。考える時間が本当はもっと欲しかったけど、贅沢言ってられる状況じゃなかったし」
いつ、『堕天使』が王都に攻め込んできてもおかしくない状況だったらしい。だからジェラルドとアウレリアーノと王宮の人々は、それから急いで、聖墓所に向かったそうだ。すでに国土の大半を奪われているなかで、守護天使の象徴たる聖墓所が敵の手におちていないのは、奇跡のようなものだった。――あるいは、守護天使の象徴だから、手を出せなかったのか。
「で、まあ、光貴が今しがたくぐってきたような試練を俺も受けさせられてな。ひいひい言いながらなんとか戻れて、その直後に爺さんが息をひきとった」
光貴は黙って聞いている。もはや言葉が見つからなかった。
「そこからは、ほんと激動だったな……。いよいよ王都が危ないってなって、俺はなんか流れで反乱軍の長をやらされることになってなあ。それが、美雪の話していた『解放軍』だよ。んで、まあ、その後はだいたい、おまえも知ってるとおりだな」
ジェラルドは、変わらず明るく笑っている。その笑顔の裏、若き日の彼の中には、どれほどの戸惑いと苦労があったのか。光貴は、考えずにはおれなかった。
ゆーきやこんこん(KOLおつまみ更新19)
七海です。なかなか雪が溶けなくて外に出られないので、題名が崩壊しました。もやもやのはけ口、題名。
今週、天気がいいうちに本屋に行こうと思っていたんですがね……。本屋どころか、家の裏のドラッグストアにすら行けません。ユース○ンが切れちゃう。
さて、続きからKOLおつまみ更新です。
KOLおつまみ更新18
七海です。
雪がぜんっぜん溶けません。おかげで外に出られません。もう三日外に出ていないので、いい加減なんかどす黒いものが胸の中にくすぶりはじめている感じがしています。すとれすかな?
明日は、昼間のうちだけでも、外に出られるようになっていることを切に願います。
さて、KOLの続きです。久々ですね。ジェラルドさん動く。
KOLおつまみ更新17
おはようございます、七海です。
本日、自宅周辺は雨。でも本屋に行きたいです。漫画が買いたいです。
実は漫画だけじゃなくて資料も買いそろえたいのですが、いかんせん田舎なので……欲しい物が、売って……ない(吐血
もうネットしかないですかね。Am○z○nとか楽○とか。
検討します。
さて、今日もKOLです。
ようやくここまできたぜっ!
本編はこちら。
http://ncode.syosetu.com/n3552bw/
ご来訪ありがとうございます。
光貴は目を閉じ、牽制のために構えていた剣を収めた。腹から声を出す。そして駆けだした。
ひとまず、この白い獣を倒さなければ、先に進めないことは確かだろう。魔法は効かない。ならばもう、剣と己の肉体で、ぶつかるしかなかった。たとえ、鋭い牙や爪に貫かれても。
獣は当然、敏感に反応した。体をばねのように使って飛びかかってくる。顔が突き出され、顎がひらかれる。
それでいい。光貴は一瞬目を細め、両足に力を込めて、立ち止まった。足はわずかにすべったが、すぐに静を取り戻す。後ろにひいた左足を軸にして、光貴は体を回転させた。同時に振り上げた右足は、勢いよく跳んできた獣の体に直撃する。
よほど、よい場所に当たったのか。獣は球のように飛んだ。少しだけ痛がるそぶりを見せたが、ほどなくして、のそりと起きあがる。爛々と光る両目ににらまれ、光貴は思わず舌打ちした。やはりこのていどでは倒せない。自分の蹴りが甘かったのか、あの獣がことさらに丈夫なのか。
獣はすぐさま持ちなおした。高く吼えて、駆けてくる。光貴は身構え、次の手をさぐったが――刹那、目を見開いて固まった。
獣が消えたのだ。白に、溶け込むようにして。
そう思えたのもまた、一瞬だった。次には鋭い衝撃が、腹から全身へ駆け巡る。うめいた光貴は跳ね飛ばされ、その間に手痛い追撃を食らった。腹を裂かれて、腕を斬られる。血の一滴もこぼれないのが、不思議で、ぶきみだった。
うめきが漏れる。それでも立ち上がろうとする。間に合わないとわかれば彼は、白い地面を転がった。爪は地面をかするが、そこにはなんの変化も生まれない。手をついて、懸命に距離をとる。それでも獣は追ってくる。そして当然、手負いの人間よりも、白い獣は早かった。あっという間に光貴に追いつき、牙と爪を立ててゆく。
痛みばかりが襲った。それでもあきらめなかった。あきらめきれなかった。水の中でおぼれかけてもがくように、めちゃくちゃに暴れて、ようやく手ごたえをおぼえる。拳に下顎を殴りつけられた獣は、つかのま、ひるんだ。その隙に光貴は、這いつくばって距離をとる。むりやり体を起こし、再び剣に手をかけた。苦労して鞘からひきぬいたそれを、両手で構える。
獣がのそりと起きあがった。光貴をにらんで、うなり声をあげ。次には吼えて、また跳躍。向かってくる白い獣に緊張を押し殺して対峙した光貴は――彼が頭を突きだすと同時、剣を、投げた。
光貴の剣は投てき用の短剣ではない。なので軌道はいびつだったが、至近距離で投げた剣は、獣の頭にかすり、深い傷を残した。地鳴りのような悲鳴に混じり、遠くで金属の音がする。光貴は荒々しく息を吐きながらも、次の一手を考えた。
しかし、頭痛が思考を妨げる。同時、首筋がひやりとした。
叩きつけられたものは、ただひたすらに痛みだった。全身が熱を帯び、急速に冷えて、息が止まる。
光貴は再び突き飛ばされた。そして今度こそ、起きあがることができなくなってきた。意識だけは明瞭なのに、体はひどい痛みを訴える。それでも光貴は、もがいた。獣の足に背を踏まれても、やけに冷たい息を感じても、まだ。
死なない。死にたくない。生きたい。
もう会えない、父の分も。
「そこまでだ」
突如、一人と一頭しかいなかったはずの場に、誰のものでもない声が響く。瞬間、頭上で新たな白が弾けた。それはまっすぐに獣を貫いた。光貴は顔を伏せていたが、そばでぴりぴりと空気を焦がす熱で、それがわかった。
「俺とにおいが似てるから、不愉快になるのはわかるけどな。あんま、いじめないでくれよ。ピエトロの空白期がこれ以上続いたら、いくらなんでもやばい。それになにより――」
獣の体から力が抜ける。存在が、おぼろげになる。
「息子をいたぶられてるのを見るのは、俺の方が不愉快でしかたない。儀式のためと耐えてきたが……もう、いいだろう?」
声は、謳う。
同時、硝子が割れるに似た音がした。圧力が消える。冷たい息遣いも。光貴がはっと顔をあげれば、そこに獣の姿はなかった。代わりに、すぐそばに、人影があった。光貴は慌てて手をついて、指先に力をこめる。
「何……ぁうっ……!」
頭から足先までを駆け巡った痛みは、少年を苛んだ。崩れかかった体はけれど、大きな手に受けとめられる。
「もういい。おまえの頑張りどころは終わったんだ。お疲れさん」
明るい声に引き寄せられて、光貴はそろりと目を開けた。水の膜がかかったようにぼやけた視界。その中に映るのは、長い金髪を無造作に束ねた男。母よりも、数歳年上だろうか。その顔には見覚えがある。――いや。
光貴は、息をのんだ。
見覚えがある、どころではない。
「よう。でっかくなったな、光貴」
つい先ほど、目にした顔だ。
「父さん……?」
もう会えないと、思っていた存在を前にして。呆然とその呼び名を口にした光貴。力の抜けた体を支えながら、ジェラルド・ルチアーノは――悪戯っぽく笑った。
本日、自宅周辺は雨。でも本屋に行きたいです。漫画が買いたいです。
実は漫画だけじゃなくて資料も買いそろえたいのですが、いかんせん田舎なので……欲しい物が、売って……ない(吐血
もうネットしかないですかね。Am○z○nとか楽○とか。
検討します。
さて、今日もKOLです。
ようやくここまできたぜっ!
本編はこちら。
http://ncode.syosetu.com/n3552bw/
ご来訪ありがとうございます。
光貴は目を閉じ、牽制のために構えていた剣を収めた。腹から声を出す。そして駆けだした。
ひとまず、この白い獣を倒さなければ、先に進めないことは確かだろう。魔法は効かない。ならばもう、剣と己の肉体で、ぶつかるしかなかった。たとえ、鋭い牙や爪に貫かれても。
獣は当然、敏感に反応した。体をばねのように使って飛びかかってくる。顔が突き出され、顎がひらかれる。
それでいい。光貴は一瞬目を細め、両足に力を込めて、立ち止まった。足はわずかにすべったが、すぐに静を取り戻す。後ろにひいた左足を軸にして、光貴は体を回転させた。同時に振り上げた右足は、勢いよく跳んできた獣の体に直撃する。
よほど、よい場所に当たったのか。獣は球のように飛んだ。少しだけ痛がるそぶりを見せたが、ほどなくして、のそりと起きあがる。爛々と光る両目ににらまれ、光貴は思わず舌打ちした。やはりこのていどでは倒せない。自分の蹴りが甘かったのか、あの獣がことさらに丈夫なのか。
獣はすぐさま持ちなおした。高く吼えて、駆けてくる。光貴は身構え、次の手をさぐったが――刹那、目を見開いて固まった。
獣が消えたのだ。白に、溶け込むようにして。
そう思えたのもまた、一瞬だった。次には鋭い衝撃が、腹から全身へ駆け巡る。うめいた光貴は跳ね飛ばされ、その間に手痛い追撃を食らった。腹を裂かれて、腕を斬られる。血の一滴もこぼれないのが、不思議で、ぶきみだった。
うめきが漏れる。それでも立ち上がろうとする。間に合わないとわかれば彼は、白い地面を転がった。爪は地面をかするが、そこにはなんの変化も生まれない。手をついて、懸命に距離をとる。それでも獣は追ってくる。そして当然、手負いの人間よりも、白い獣は早かった。あっという間に光貴に追いつき、牙と爪を立ててゆく。
痛みばかりが襲った。それでもあきらめなかった。あきらめきれなかった。水の中でおぼれかけてもがくように、めちゃくちゃに暴れて、ようやく手ごたえをおぼえる。拳に下顎を殴りつけられた獣は、つかのま、ひるんだ。その隙に光貴は、這いつくばって距離をとる。むりやり体を起こし、再び剣に手をかけた。苦労して鞘からひきぬいたそれを、両手で構える。
獣がのそりと起きあがった。光貴をにらんで、うなり声をあげ。次には吼えて、また跳躍。向かってくる白い獣に緊張を押し殺して対峙した光貴は――彼が頭を突きだすと同時、剣を、投げた。
光貴の剣は投てき用の短剣ではない。なので軌道はいびつだったが、至近距離で投げた剣は、獣の頭にかすり、深い傷を残した。地鳴りのような悲鳴に混じり、遠くで金属の音がする。光貴は荒々しく息を吐きながらも、次の一手を考えた。
しかし、頭痛が思考を妨げる。同時、首筋がひやりとした。
叩きつけられたものは、ただひたすらに痛みだった。全身が熱を帯び、急速に冷えて、息が止まる。
光貴は再び突き飛ばされた。そして今度こそ、起きあがることができなくなってきた。意識だけは明瞭なのに、体はひどい痛みを訴える。それでも光貴は、もがいた。獣の足に背を踏まれても、やけに冷たい息を感じても、まだ。
死なない。死にたくない。生きたい。
もう会えない、父の分も。
「そこまでだ」
突如、一人と一頭しかいなかったはずの場に、誰のものでもない声が響く。瞬間、頭上で新たな白が弾けた。それはまっすぐに獣を貫いた。光貴は顔を伏せていたが、そばでぴりぴりと空気を焦がす熱で、それがわかった。
「俺とにおいが似てるから、不愉快になるのはわかるけどな。あんま、いじめないでくれよ。ピエトロの空白期がこれ以上続いたら、いくらなんでもやばい。それになにより――」
獣の体から力が抜ける。存在が、おぼろげになる。
「息子をいたぶられてるのを見るのは、俺の方が不愉快でしかたない。儀式のためと耐えてきたが……もう、いいだろう?」
声は、謳う。
同時、硝子が割れるに似た音がした。圧力が消える。冷たい息遣いも。光貴がはっと顔をあげれば、そこに獣の姿はなかった。代わりに、すぐそばに、人影があった。光貴は慌てて手をついて、指先に力をこめる。
「何……ぁうっ……!」
頭から足先までを駆け巡った痛みは、少年を苛んだ。崩れかかった体はけれど、大きな手に受けとめられる。
「もういい。おまえの頑張りどころは終わったんだ。お疲れさん」
明るい声に引き寄せられて、光貴はそろりと目を開けた。水の膜がかかったようにぼやけた視界。その中に映るのは、長い金髪を無造作に束ねた男。母よりも、数歳年上だろうか。その顔には見覚えがある。――いや。
光貴は、息をのんだ。
見覚えがある、どころではない。
「よう。でっかくなったな、光貴」
つい先ほど、目にした顔だ。
「父さん……?」
もう会えないと、思っていた存在を前にして。呆然とその呼び名を口にした光貴。力の抜けた体を支えながら、ジェラルド・ルチアーノは――悪戯っぽく笑った。