KOLおつまみ更新20

2018.03.06 22:29|小説・詩
七海です。気が付いたら3月になってるどうしよう。

そして、拍手コメントをもらっていたことを後になって気づきました。管理画面はちゃんとチェックしないとだめですね。申し訳ありません。後日お返事を書かせていただきます。

ひとまず今日は、KOLの続きです。
本編はこちら



 当時の『神聖王』は老齢で、また病に伏せっていた。ゆえに『堕天使』たちの侵攻に対処することができなかった。ジェラルドが選ばれたのは、アウレリアーノの死期が、すでに近づいていた証だったのだろう。そして、ジェラルドの存在を、『天使』ならではの感覚で知ったアウレリアーノは、彼のもとへ使者をやったのだ。藁にもすがる思いだっただろうと、当時を語るジェラルドは、苦笑した。
「俺は守護天使とかすぐに信じられなかったけど、とりあえずその使者についていったんだ。それで、アウレリアーノに引き合せられて、守護天使のことや、『堕天使』のことを聞いた」
「どう、思った?」
 光貴は、慎重に尋ねた。
「大人が子供(ガキ)をからかってるのかと思ったよ」
 先代の『神聖王』は、笑い飛ばした。ぽかんとしている息子に、意地悪な笑みを向ける。
「おまえも、晴香も、戸惑っただろう。『神託の君』のこと、はじめて聞いたときは。それと一緒だよ。いきなり言われたって、信じられるわけない。けどなあ、日増しに俺の中の魔力が主張をしてくるんで、だんだん、爺さんのいうことを受け入れるようになっていったんだよ。だから俺は、結局、『神聖王』の座を継ぐことを選んだ。考える時間が本当はもっと欲しかったけど、贅沢言ってられる状況じゃなかったし」
 いつ、『堕天使』が王都に攻め込んできてもおかしくない状況だったらしい。だからジェラルドとアウレリアーノと王宮の人々は、それから急いで、聖墓所に向かったそうだ。すでに国土の大半を奪われているなかで、守護天使の象徴たる聖墓所が敵の手におちていないのは、奇跡のようなものだった。――あるいは、守護天使の象徴だから、手を出せなかったのか。
「で、まあ、光貴が今しがたくぐってきたような試練を俺も受けさせられてな。ひいひい言いながらなんとか戻れて、その直後に爺さんが息をひきとった」
 光貴は黙って聞いている。もはや言葉が見つからなかった。
「そこからは、ほんと激動だったな……。いよいよ王都が危ないってなって、俺はなんか流れで反乱軍の長をやらされることになってなあ。それが、美雪の話していた『解放軍』だよ。んで、まあ、その後はだいたい、おまえも知ってるとおりだな」
 ジェラルドは、変わらず明るく笑っている。その笑顔の裏、若き日の彼の中には、どれほどの戸惑いと苦労があったのか。光貴は、考えずにはおれなかった。
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Author:蒼井七海
なんか周りにオタクといわれてしまう社会人見習い。
少年漫画、ファンタジー、ネコが大好き。中学生の頃から息(だけ)長く創作サイトの運営やらなんやらしながら、漫画家を目指しています。
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